Q1
A1 |
乳房撮影(マンモグラフィ)ってなに?
乳房のエックス線撮影のことで、マンモグラフィと呼ばれています。乳房は柔らかい組織でできているため専用のレントゲン装置を使って撮影します。現在は乳がんの精密検査の一つとして用いられるものですが、検診にも用いることが出来ます
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Q2
A2 |
マンモグラフィ検診は有効なのですか?
マンモグラフィ検診はアメリカ・ヨーロッパでは、最も一般的で乳がんによる死亡を減少させる効果が得られています。日本ではまだ多くは実施されていないため、死亡率を下げる効果は立証されていませんが、マンモグラフィを使った場合、多くの乳がんが早期に発見されていますので、乳がん死亡を減らせると予想されます。
検診で異常がなくても、次の検診までの間に乳がんが見つかることがあります。これを「中期乳がん」といいます。今までの視触診による検診では「中期乳がん」は約30%ですが、マンモグラフィを使うと10%以下になります
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Q3
A3 |
放射線被爆による危険はないのでしょうか?
エックス線検査ですので放射線被爆がありますが、乳房だけの部分的なもので、骨髄などへの影響はなく、白血病などの発生はありません。1回の撮影で乳房が受ける放射線の量(吸収する量)は、東京からニューヨークへ飛行機で行くときに浴びる自然放射線(宇宙線)のほぼ半分です。したがってマンモグラフィ撮影に伴う危険はほとんどないか、あっても極めて小さいと考えられています。
また、マンモグラフィ検診で得られる、利益(乳がんからの救命)があります。乳がんを発見して命を救う利益と被爆による危険(死亡リスク)とを比較しますと、50歳の女性が2年に1回検診を受けた場合、検診による利益が、被爆によるリスクよりも約100倍大きいことがわかっています。こわがらずに正しい検査を受けましょう
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Q4
A4 |
マンモグラフィ撮影ではなぜ、乳房への圧迫が必要なのですか?
マンモグラフィ撮影では乳房をはさんで写真をとります。乳房は人により厚みも大きさも違いますので、良い写真を撮るためには、乳房をなるべく均等に圧迫して撮ることがとても必要となります。少しの間頑張って下さい
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Q5
A5 |
精密検査が必要といわれたのですが心配ないでしょうか?
乳がん検診で異常がみつかり、精密検査が必要となる人は約5%(100人のうち5人)です。さらに、精密検査を受けた方の2%(100人のうち2人)、つまり、全体では1000人に1人の方が乳がんと診断されますが,残りの方はがんではありません。
がん検診で異常が見つかっても、その大多数の方は乳がんではありませんのであまり心配しないでください。たとえ、乳がんが見つかったとしても、マンモグラフィを使った場合には早期がんである可能性が高くなります
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Q6
A6 |
精密検査にはどうのようなものがありますか?
検診で異常が見つかった場合、精密検査としてマンモグラフィの追加撮影、超音波検査(エコー)乳頭分泌の細胞診などがあります。さらに、悪性が疑われる場合には、細い注射針にて細胞を採取する吸引細胞診または、試験的切除が行われます
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Q7
A7 |
乳がん検診と月経との関係について
乳腺は女性ホルモンの影響を受けています。排卵から月経が始まる頃まで、卵巣から分泌されるホルモンによって影響を受け、乳房がしばしば硬くなったり痛みを感じたりします。閉経前の方が検診を受けるとき、または、自己検診を行うタイミングは月経開始後1週間くらいがベストといわれています
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Q8
A8 |
いつもと違う症状がありますが,検診日まで、待ってよいでしょうか?
しこりや乳頭分泌など、いつもと違う症状のある方は、検診を待たずにできるだけ早く受診してください。乳がん検診は、原則として、症状のない方に対して行われます
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Q9
A9 |
検診の費用と効果はどうなりますか?
今までの視触診による検診に、マンモグラフィが追加されますので、その分費用が高くなります。ただし、2年に1回の検診となりますので、1年あたりの費用はこれまでとほぼ、同じになります。一方、マンモグラフィを使うことにより、より多くの命が救われますので、1人の命を救うのにかかる費用(費用効果比)は、50%以上改善されます |